段ボールはリサイクルの優等生!
日本では古来から紙のリサイクルが行われてきました。江戸時代は使用済の紙を古紙問屋が買い取り、紙漉き業者に売られ再生し、再び紙として使われていました。
このリサイクルは現在、循環型社会構築の大きな取組みとなっています。日本において、古紙利用率は64%程度ですが、2020年度までに65%を達成しようという取り組みを行っています。
その大きな原動力は、段ボールです。日本の段ボールは、90%以上古紙で作られています。紙においては「 」と言えます。
出典
一般社団法人産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター「リサイクルデータ」
http://www.cjc.or.jp/data/main.html
経済産業省「古紙利用率向上の可能性に関する調査報告書」
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2015fy/000257.pdf
段ボールのリサイクル概要
古紙が段ボールへ生まれ変わる流れ
-
①段ボール古紙
一般家庭やスーパーマーケット、段ボール製品を扱う業者など、古紙は日々様々な場所から出てきます。
-
②古紙原料
集められた古紙は、古紙業者が約1トンの塊(ベールという)にして製紙工場へ納入します。
-
③原料処理
古紙の塊を水と一緒に撹拌してバラバラにほぐします。同時に中に混じったごみ(プラスチックや金属など)を分離して取り除きます。
-
④原料調整
写真のバージンパルプ(木材等を原料として製造された製紙材料)を加え、繊維の濃度や性質を一定にします。
-
⑤抄 紙
紙をすく工程です。原料を網の上に流し分散させて形成し、連続的に湿紙を作ります。
-
⑥脱水(プレス)
湿紙をプレスする事により、約45%の水分が飛ばされます。
-
⑦ドライヤー
脱水だけでは除ききれなかった水分をドライヤーで乾燥させます。熱されたドライヤーシリンダーに紙を圧着させる事により、水分が蒸発します。乾燥は写真左の室内で行います。
-
⑧仕上げ
出来上がった紙を段ボール工場で使用する紙巾・長さに巻きなおします。
-
⑨貼 合
段ボール工場では、3枚の段ボール原紙(ライナー2枚と中芯1枚)を貼りあわせて段ボールを作ります。この製品を「段ボールシート」と言います。
-
⑩製 函
段ボールシートを箱にするため型抜きを行います。その後印刷をして組み立てる事により段ボール箱となります。
■取材協力、写真提供
丸三製紙株式会社 (http://www.marusan-paper.co.jp/)